しとしと降る雨を見上げながら、シリスは一つ息を吐いた。

夜明け前の冷えた空気に、この水。
空の色は淡く青く、そろそろ朝を感じさせるものだがしかし雲に覆われて光を見ることは無いのだろう。

深い、しかし淡い、その青を遮る暗い影、山並みや、屋根。


まるで深海のようだ。


降り注ぐ雨が光ったり、しかし影を作った。




茫っと空を見上げていると、ちらりちらり視界で何かが動いた。
それは今まで見てたものと同じ青のようだった。

しかし、それはゆっくり揺れるように、だんだんと近づく。


「テッド?」


雨水に晒された、髪が無残に顔に張り付いていた。青い衣服も色味を増し、濡れそぼり動きにくそうだ。

ゆっくりと近づいてくるテッドの顔も、だんだんと良く見えてくる。
雨水は顔中辿り、瞳を縁取る薄茶の睫毛に水玉が溜まっていた。

「いきなりやられた」

ぶっきらぼうな言葉、多分雨のことを言っているのだろう。
シリスは降り出す前からこの屋根の下で眺めていたが、テッドはそれに恵まれなかったらしい。

そういえばまるで泣き出したように雨は突然降ってきた。

大粒の雨が地を打つ様子をシリスは一人で眺めていたのだ。

「お前を探しに来たんだけど」

そう言ってテッドはシリスの隣に並んだ。

「え、」

「こんなところに居たのかよ、」
見つからないわけだ、とテッドは不機嫌そうに呟き、その後に笑う。

「ここを知ってるのはお前と、俺だけってことだな」

横目で見られてシリスはドキリとする。幼い顔に似合わない、そんな笑顔は心臓に悪いものだとシリスは常日頃考えていたのだから。

「なにか拭く物あるか?」
「ごめん、持ってない」

シリスの返答にテッドは分かりやすく顔をしかめる。
申し訳ない気分になり、シリスはテッドの方へと顔を近づけた。

黙ったままのテッドにその顔に、顔を近づけ、睫毛に溜まった水滴を唇で拭う。

「これぐらいしかできない」
「それだけでいいよ」

今度は唇を、とでも言うかのように触れるだけの口付け。

テッドが擽ったそうに笑ったのを見てシリスも微かに口元に笑みを浮かべ、その手はもっと近づきたいと服や首に縋る。

息継ぐ前に今度はテッドから口付けを仕掛けられる。

僕は濡れていないよ、と言うとテッドは穏やかに笑った。
「俺のせいで濡れてしまったから」

そう言ってまた、触れた。




++++++++

えへへ、またも遅筆申し訳ありません(ちなみに遅筆を稚拙と誤打してしまいました、間違っちゃいねえ
ゆんみん様(当時菊花様)から代理リクを頂いたのはそれはまだ寒い1月のこと・・・・・・もう管理人のたれ死ねばいいのにって頭抱えました、まじすみません・・orz

書き終わった後にリク確認のために掲示板を見たわけですが
「やべーすげー甘いラブラブじゃぬぇーーーーー(汗」とリアルに口からポロリしてしまいました
いちゃいちゃさせられないのは私が枯れているからなんでしょうかね、

でもまあ、正直私は彼らが本当に安らげる時ってのは本当に少ない些細な時間なんだと思います
そんときほんのりいちゃいちゃしてんのかなーと

で、結局こんな感じに仕上がってしまったわけですが・・・いいのでしょうか・・
もちろん返品可ですが(あうあう)、お持ち帰りいただければ嬉しいですー

まあ、こんな自堕落管理人が運営してるサイトに13000アクセスとは嬉しい限りです 来てくださってる閲覧者様、リクエストくださったゆんみん様
ありがとうございます
これからもよろしくおねがいしますね!!

背景画像はNEO HIMEISM様からお借りしました
20100908


back