僕の世界は、君を中心に回ってるって知ってる? ねぇ、テッド。 僕はずっと君の事が好きだったんだ。 そんな事今まで言えなかったけど、今、君のもとへ行くよ。 * 学校が終わった後、シリスとテッドはハンバーガーショップで暖を取る。 真冬が近づいて来ている足音を聞きながら、シリスはテッドの話を話半分に聞いていた。 「なーシリス、やっぱり俺、告白したほうがいいかな?」 「いいんじゃないの?当たって砕けて僕の元へおいでよ」 「砕けちゃ意味ねーじゃん!」 「あはは」 テッドは今、同じクラスの女子にお熱だ。 シリスはそんなテッドを応援なんてできなかった。 だから話半分に聞き流して、自分のどす黒い感情を必死で抑える。 テッドとは高校からの仲だ。 今、高校2年生。 恋に勉強にスポーツに、青春まっさかりだ。 だがシリスの恋は実る事がないのだと自分で気付いてしまっているから。 どうしようもなく気付いてしまっているから。 シリスの『恋』はブラック珈琲より苦いのだった。 そんなシリスの内心を察する事などできはしないテッドはお熱のあの子の話でいっぱい。 正直うんざりだった。 だから。 「テッド、やっぱり告白しなよ。気持ち伝えてすっきりしなきゃ、受験に専念できないよ?」 「ああ……わかった!俺頑張ってみるよ」 テッドの固い決心を前に、シリスは笑顔で応えた。 そして翌日。 テッドはお熱な彼女に見事に告白をなしとげた。 シリスは、煮えたぎる腸を抱え、テッドを待つ事はしなかった。 というか結果すら聞きたくない。 傷つくのが怖いから、心を遮断するしかないのだ。 だが、テッドはシリスがとぼとぼと帰るいつもの帰り道、走ってシリスの元へ駆け込んだのだ。 「シリス!」 「て、テッド……」 「なんで先帰っちゃうんだよ」 「……」 「まーいいや。結果報告。俺、振られちったよ。あーあ、恋の馬鹿やろうって感じ?あはは……」 言葉はそこで止まり。 テッドの目には涙があふれていた。 ぽろり。と落ちる雫。 だからつい聞いてしまったんだ。 「泣くほど好きだったの?」 「え?俺、泣いてる?」 「うん」 「あはは……まいっちまうよ。彼女、シリスが好きなんだって。なんで俺じゃなくて、お前なんだろうな」 テッドはぽつりと呟く。 シリスを責めるでもなく、あふれる涙を必死でふいて。 そうしていたら、シリスもなんだか哀しくなって。 どうしようもなく哀しくなって。 涙がこぼれた。 「なっ。シリス!なんでお前が泣くんだよ!俺、責めてないじゃん」 「……ち、違……。違うんだ、テッド」 それは僕のセリフだと言いたかった。 なんで僕じゃなく、彼女なのかと。 なんでテッドじゃなきゃ駄目なんだろう、と。 「泣くなよ、シリス。ほれ、俺が傍にいるだろ?」 とぽんぽんとテッドはシリスの頭を撫でた。 すると余計に優しさが痛くて、シリスは大泣きしたのだった。 「僕も、テッドの傍にいるから。テッドが哀しい時、辛い時、いつでも僕が傍にいる。テッドの事好きだから」 「うん。ありがとな。シリス」 なけなしの勇気を振り絞って告白してみても、テッドには届かなくて。 でも今はテッドが優しいから、今日はこれでよしとした。 ねぇテッド。 僕が君の事好きだって言ったら、驚くかな?それとも嫌われるかな? いつか君に伝えたい。 この僕の気持ちを。 いつか届けたい。 僕の愛を。 それが報われなくてもいい。 君が笑ってくれるなら、僕は――。 かたおもひ -------------------------------------------------------------------------------- 2008,11,3 当初考えていたネタが空中飽和してしまい、どうしようかと悩みに悩んでいたら、なんとか4様片想いが思い浮かびました。 かたおも「ひ」なのはニュアンスです。 なんとなーくです。 たいして意味はありません。 こんな作品ですが安里様のサイト一万ヒットをお祝いさせていただきます。 どうぞ貰ってやってくださいましー! 返品可です。 +++ ゆんみん様から一万ヒットのお祝いに頂きました! ありがとうございます〜〜〜〜>< 甘い雰囲気を醸し出す(←勝手に)ゆんみん様の書くほろ苦い片思い・・ あーもー切なすぎですよーーーー!(萌えーーー!←ヲイ この後、ながーーーい時間をかけて4様がてっつんを追い込んで・・じゃなくて 思いを伝えてラブラブになることでしょう・・・と妄想 驚いたことに4様の名前を腐塔使用のシリスくんで書いて頂きました 嬉しすぎるハプニング!(二度見した) お心使いありがとうございます 惚れそうです 素敵な小説ありがとうございましたvv 返品なんかしませんよ! しろと言われても離しませんとも! 20081120 gift |