「最近、変な悪夢を見る人が続出してるんだってー」
「貴方はそんな事気にしなくていいんですよ。さっさとこの書類を片付けてください」
 書類の山から逃れようと話題転換を試みるデーデマンだったが、セバスチャンはそれを許さずにすっぱりと切り捨てた。
「愛がない……」
 いつものように滂沱の涙を流しながら落ち込むデーデマンに、セバスチャンはいつにない優しい笑顔を浮かべたが、デーデマンは落ち込んで視線を床に投げているために気が付かない。
「旦那様……」
「なに――」
 顔を上げたデーデマンに不意打ちでキスを落とすセバスチャン。デーデマンが惚けている間に深いキスに変えていく。デーデマンがどんなにセバスチャンの胸を叩いても、セバスチャンはいつも以上に長く深くキスをする。そのうち、デーデマンは体に力を入れることが出来なくなってセバスチャンに凭れ掛かる。
ふとした瞬間に生まれた幸せな時間。
それを打ち砕き邪魔するのは、やはり悪魔だった。
「やぁ、デーデマン。お取り込み中悪いんだけど、お茶にしないかい?」
「さっさと帰れ、くぉの奇人がぁっ!!」
 珍しくブチ切れたセバスチャンがユーゼフを追い回すという非日常が繰り広げられたデーデマン邸は、セバスチャンとピーターが入れ替わった日よりも断然早く崩壊したのだった。
もちろん、ユーゼフの無償の魔術で翌日には綺麗に直っていたが。


フラン○フルトには、幾つかの逸話がある。
一つ。ユーゼフは闇の支配者である。よって、手を出してはならない。
一つ。セバスチャンは闇の支配者。よって、セバスチャンに弱みを握らせてはならない。
一つ。デーデマン邸には座敷童が住む。しかし、捕まえるにはデーデマン邸を攻略しなければならない。

ここに、新たに加わった逸話。
一つ。三時間足らずで崩壊したデーデマン邸は、翌日には必ず復活している。命が惜しければ滅多なことでは近づくな。
一つ。フラン○フルトでデーデマン十一世に手を出そうとした者は必ず悪魔に襲われ、家が傾く。


フラン○フルトの逸話はどれもデーデマン家とユーゼフが関わっていることを忘れてはならない。



〜ホントにEND〜


松本様のサイトでキリ番リクエストさせていただきました!
囚われのデー様!
も、萌え・・・・・!
デー様のためにタッグを組むセバとユーゼフ(ユーゼ腐と変換され・・・・(((( ;゚д゚)))アワワワワ )しゅてきでした!最高です!
そして思わぬところでアルベルト萌えに目覚めたかもしれません(変なところで雑食発揮
ぜひぜひ双子とデー様でほのぼの午後茶でもしてほしい・・・・・!
松本様、素敵な小説ありがとうございました!!!!
20080519