卯の花が咲く季節、二人は久しぶりの心地よい春の陽気に誘われ散歩に出かけた。
道端に見つけた小さな青い花を見て、春を感じる。と言ったのはシリスだった。
小さなこの花はこの季節になると気が付くとどこか端っこにいくつもいくつも顔を出していて、儚げに揺れている。
どこにでも咲いている小さな花ではあるが、その実その花はたった一日で花を散らしてしまうらしい。
すぐそばに同じ花がいくつも咲き、そのことに気付くことは無いが。

それはまるで人の様ではないか、とテッドは思う。
気付かぬうちに消え、気づかぬうちにまた生まれる。

摘むには小さすぎる青い花をしゃがんで愛でた後、人っ子一人居ない春の小道で二人は手を繋ぎまた風の向くままに足を向けたのだった。

青い空を見上げてシリスは眩しそうに目を細める。違う青の瞳が陽の光と睫毛の翳りで絶妙な色合いに煌めく。
優しい春風に煽られた前髪を掻き上げながらそれを見つめ、テッドは柔らかに笑みを浮かべたのであった。






星の瞳


今年はあまりにも描けずに、じゃあ思い切って文章書いてみよう→撃沈。
でもなんか方向性決まった!みたいな感じで描き上げましたw

文の方は、時代は現代に近い感じでテッドは記憶持ちの転生、4様は未だに罰紋との長いお付き合い中みたいな感じで。
生まれ変わる度にまためぐり会う、みたいなの萌えます

短文と絵はお持ち帰り自由ですので、ちょっとでも気に行って貰えましたらお持ち帰りいただけると嬉しいです。

また一年、まったりと歩んでいくつもりですのでミケシュをよろしくお願いします。

ミケシュ


20140429